Practical Guide
JPYC の取得と償還の
実務ガイド
公式ルート(JPYC EX 経由の発行・償還)を主軸に、代替ルート、規制・税務、リスクと運用上のチェックリストを、公開情報ベースで整理しました。運動サプリ®を超えて、JPYC そのものを扱う場面でのリスクと選択肢を知るためのリファレンスです。
01 / Executive Summary
エグゼクティブサマリー
もっとも確実で、法的にも整理しやすい JPYC の取得・償還ルートは、公式プラットフォームである JPYC EX を使う方法です。実務フローは、アカウント開設、本人確認、銀行口座登録、自己管理ウォレット登録、発行または償還の予約、そして銀行振込またはオンチェーン送付、という順番で進みます。公式に確認できた決済方法は銀行振込で、発行・償還は 1 JPYC = 1 円 の前提で動きます。公式資料で確認できた上限は、発行・償還ともに 1 回あたり 100 万円 で、日次でリセットされます。手続き自体は 24 時間 365 日利用可能ですが、銀行側の処理、ブロックチェーン承認、AML/CFT モニタリングにより翌営業日まで遅れることがあります。
代替ルートは存在しますが、原則として「公式償還を代替するもの」ではなく、「JPYC を市場で取得・換金するための迂回ルート」です。代表的には、国内暗号資産交換業者で ETH・AVAX・POL などのガス資産を買って自己管理ウォレットへ出庫し、同一チェーン上の DEX やウォレット内スワップで JPYC に交換する流れです。逆方向では、JPYC を暗号資産へ戻して国内交換業者で円転することもできます。ただし、その場合は発行体による 1:1 償還ではなく、市場価格・流動性・スリッページ・ガス代・税務が絡みます。少なくとも Coincheck は、2026 年 2 月時点で JPYC を取り扱っていないと明示しています。
法規制の観点では、JPYC は国内で「電子決済手段」として扱われ、発行体は資金移動業者の枠組みで整理されています。第三者がこれを反復継続して売買・交換したり、円投・円転のオンランプ/オフランプを業として行う場合には、金融庁 の説明では電子決済手段等取引業の登録が必要です。したがって、P2P や OTC は「技術的に可能」でも、相手方や仲介者が国内法上どう整理されるかを必ず確認すべきです。
税務は、法人については 国税庁 が電子決済手段を金銭債権に近いものとして整理しており、取得は券面額ベース、譲渡時には帳簿価額との差額を損益認識し、期末時価評価は不要としています。個人については、取得した JPYC そのものについての個別 FAQ は今回の取得範囲では明示的に確認できませんでしたが、ETH や AVAX などを売却・交換して JPYC を取得するルートでは、その暗号資産の処分自体が一般の暗号資産課税ルールの対象になり得ます。なお、電子決済手段の譲渡は消費税上は非課税です。
02 / Assumptions
調査前提と結論
本稿は、主に公式公開情報である jpyc.co.jp、ex.jpyc.co.jp、JPYC 公式 FAQ、ならびに 金融庁 と 国税庁 の公開資料を優先して整理しています。補助的に、国内大手交換業者や大手国内暗号資産メディアの日本語記事を用いて、代替ルートや市場実務を補足しました。
未指定事項については、以下を前提に置いています。利用者は 日本居住の個人 であり、希望する交換業者や希望するウォレットは未指定、法人利用ではなく、米国納税義務者でもないと仮定しました。法人利用では実質的支配者や取引担当者の確認が絡み、また米国納税義務がある利用者は現時点で JPYC EX のアカウントを開設できません。
また、公式 FAQ には「発行・償還の最低金額と上限額」「発行/償還/返金等に関する手数料一覧」といった個別記事が存在することは確認できましたが、一部は検索結果上で本文が十分取得できず、具体額を公式本文まで再確認できなかった項目があります。そのため、本文で確定できない箇所は「未確認」と明示しています。
03 / Official Route — Acquisition
公式ルート: 取得
公式ルートで JPYC を取得するには、まず JPYC EX のアカウントを開設します。公式 FAQ では、アカウント開設後に出金口座とウォレットアドレスを登録し、その後に発行・償還へ進む構成で案内されています。個人アカウントの初期登録では、米国納税義務、外国 PEPs、国籍、居住国などを申告するフローがあり、住所や郵便番号の一部は本人確認情報から反映されます。
本人確認は eKYC で行い、公式 FAQ では必要物として マイナンバーカード と専用 eKYC アプリが示されています。取得した検索結果では、本人確認書類はマイナンバーカードのみとされており、他の本人確認書類で代替できるとまでは確認できませんでした。これは一般的な「顔写真付き本人確認書類なら可」という国内交換業者の口座開設とは違う、JPYC EX 固有の要点です。
次に、受取口座となる銀行口座と、受取先となる自己管理ウォレットを登録します。公式 FAQ では、JPYC を償還して日本円を銀行口座で受け取るには銀行口座情報の事前登録が必要で、登録対象として日本全国の預金取扱金融機関が案内されています。また、JPYC の発行には事前に銀行口座とウォレットアドレスの双方の登録が必要とされています。
ウォレットは自己管理型が前提です。公式トップは JPYC EX を「ノンカストディ型」と説明しており、事業者が顧客資産を預からない前提を明示しています。公式 FAQ では、MetaMask と HashPort Wallet について個別の登録ガイドがあります。少なくともこの 2 つは、公式が具体的な導線を用意しているウォレットです。
発行操作に入ると、発行予約画面で受取ネットワーク、受取ウォレット、金額を設定します。公式 FAQ の検索結果では、受け取りたいブロックチェーンのネットワークを選択するよう案内されており、現在の公式 JPYC は主に Ethereum・Polygon・Avalanche の 3 チェーンで発行されていることが公開情報から確認できます。取得数量は 1 JPYC = 1 円の前提で計算されます。
その後、JPYC EX で指定された銀行口座へ日本円を振り込みます。契約締結前交付書面では、各利用者はアカウント開設後、指定銀行口座への日本円振込によって資金を入金すると案内されています。入金時には、振込名義を登録済み口座名義のカナと完全一致 させる必要があり、発行予約を行わずに入金した場合は JPYC は発行されません。
入金確認後、原則として発行処理は即時とされています。ただし、公式 FAQ は、取引モニタリングなど AML/CFT 対策のため翌営業日まで時間がかかる場合があると明記しています。つまり、「24 時間 365 日使える」ことと「常に数分で着金する」ことは同義ではありません。
04 / Official Route — Redemption
公式ルート: 償還
償還は、発行よりも運用ルールを理解しておく必要があります。最重要ポイントは、「先に償還予約を作ること」と「必ず登録済みウォレットから送ること」です。公式 FAQ は、保有する JPYC を日本円に償還する際は、必ず事前に償還予約を完了させるよう案内しています。
償還予約画面では、送信したい JPYC 数量を入力します。検索結果上では、送信数量を入力すると同額の日本円が自動表示されると案内されており、償還時も 1 JPYC = 1 円で扱われます。その後、案内された条件どおりに、登録済みウォレットから JPYC を送ります。
ここでの実務リスクはかなり大きいです。公式 FAQ は、登録していないウォレットアドレスから送信された場合は取引が不成立となること、また指定ウォレットアドレス以外から送信した場合は償還予約への送金として特定できず、補償や返送の対象にならない場合があることを明示しています。これは、たとえば DEX や P2P で受け取った JPYC を、まだ JPYC EX に登録していない別ウォレットからそのまま送ってしまうと詰む可能性がある、という意味です。
ブロックチェーン上の送信が承認されると、JPYC EX は指定銀行口座へ日本円を振り込みます。公式トップは、トランザクション承認完了後に指定銀行口座へ振込されると説明しています。ただし、ここでも金融機関側処理やブロックチェーン状況、AML/CFT モニタリングで遅れる可能性があります。
なお、現在の JPYC と、旧来の JPYC Prepaid は 別物 です。発行体の公開資料は、両トークンが異なること、また発行体が両者の交換を受け付けないことを明記しています。償還したいトークンが「現行 JPYC」なのか、「旧 JPYC Prepaid」なのかは、実行前に必ず確認すべきです。
典型的な償還フロー(公式資料ベース)
- 1.JPYC EX アカウント開設
- 2.eKYC 完了(マイナンバーカード + 公的個人認証)
- 3.受取用銀行口座を登録
- 4.自己管理ウォレットを登録
- 5.償還予約を作成(JPYC 数量入力、銀行口座・ネットワーク指定)
- 6.登録済みウォレットから JPYC を送信
- 7.ブロックチェーン承認 → AML/CFT モニタリング
- 8.登録銀行口座へ日本円振込
⚠ 予約なしで送信 → 取引不成立の可能性
⚠ 未登録ウォレット / 誤チェーン / 偽トークン → 不成立・補償対象外の可能性
05 / Parameters
公式ルートの実務パラメータ
| 項目 | 公式に確認できた内容 |
|---|---|
| 必要なアカウント | JPYC EX アカウント、登録済み銀行口座、登録済み自己管理ウォレット。 |
| 本人確認 | 個人は eKYC。今回確認できた公式 FAQ ではマイナンバーカードのみ利用可。 |
| 支払方法 | 公式に確認できた取得方法は銀行振込。ソニー銀行との口座直結導線は「検討中」の MOU 段階で、一般提供済みとは確認できませんでした。 |
| 手数料 | 公式トップは「購入(発行)手数料無料」と案内。別途、銀行振込手数料とオンチェーン送金時のガス代は利用者負担。予約期限経過後の返金には 2,000 円手数料がかかると FAQ で確認できます。償還の標準手数料額は、今回取得した公式 FAQ 本文では 未確認。 |
| 上限・下限 | 公式書面で確認できた上限は、発行・償還とも 1 回 100 万円で、毎日 24 時にリセット。下限は公式 FAQ 記事の存在までは確認できたものの、本文で具体額を再取得できず 未確認。 |
| 処理時間 | サービスは 24 時間 365 日利用可。原則即時だが、AML/CFT 対策で翌営業日まで遅延し得る。銀行やチェーン状況でも変動。 |
| 失敗しやすい点 | 予約なし入金では発行されない。振込名義カナ不一致は要注意。償還は登録済みウォレットからのみ。偽トークンは償還不可。 |
06 / Alternative Routes
代替ルート
代替ルートを理解するときの前提は、「市場ルートで JPYC を手に入れること」と「発行体に 1:1 で償還してもらうこと」は別の話だ、という点です。現行の公式 JPYC は Ethereum・Polygon・Avalanche の 3 チェーンで発行される一方、旧 JPYC Prepaid は Ethereum・Polygon・Gnosis・Shiden・Avalanche・Astar など、より広いチェーンに存在します。両者は別トークンであり、発行体は相互交換を受け付けません。ここを間違えると、チェーンは合っていても償還できない、という事故が起きます。
中央集権型取引所(CEX)
中央集権型取引所の実務的な使い方は、いまのところ「JPYC そのものを買う場」というより、「JPYC 取得のためのガス資産や中継資産を買う場」と考えるのが正確です。代表例として、Coincheck は公式記事で JPYC を現時点で取り扱っていないと明示しています。そのため、典型フローは「国内 CEX で ETH・AVAX・POL 等を購入 → 自己管理ウォレットへ出庫 → 同一チェーンの DEX で JPYC へ交換」です。円に戻すときは、その逆に「JPYC → DEX で主要暗号資産へ交換 → 国内 CEX へ入庫 → 売却して出金」となります。この方法は便利ですが、価格は常に 1:1 ではなく、スプレッド、流動性、ガス代、税務イベントが増えます。
DEX / ウォレット内スワップ
DEX やウォレット内スワップは、JPYC の取得手段としてはかなり現実的です。国内交換業者の教育記事でも、DEX は暗号資産同士の交換であり、通常 KYC は不要だが、法定通貨との交換はできず、サポートもない、と整理されています。つまり、DEX だけで日本円から JPYC へ直接入るのではなく、前段に CEX かすでに保有している暗号資産が必要です。
ウォレット一体型ルートとしては、HashPort Wallet が、1inch の Swap API を統合し、Kana Labs 経由で JPYC を含む資産のクロスチェーン直接スワップを可能にした、という国内報道があります。これが実装どおり機能するなら、「別チェーンから資産を持ってきて JPYC に変える」体験はかなり改善されますが、それでも価格は市場依存であり、公式償還とは別です。
P2P
P2P は、技術的には最も単純です。相手がすでに保有している JPYC を自分のウォレットへ直接送ってもらえばよいからです。ただし、P2P で受け取ったトークンが本当に現行 JPYC なのか、偽トークンではないか、サポートチェーン上の正しいコントラクトか、は自分で見極める必要があります。公式 FAQ は偽トークンについて明確に警告し、偽の JPYC は日本円に償還できないとしています。さらに、後で償還したいなら、その受取ウォレットを自分の JPYC EX へ登録する、または登録済み自己管理ウォレットへ移してから償還予約を行う必要があります。
OTC
OTC は大口では有効なことがありますが、今回の調査では、発行体による一般向け公開 OTC 条件は確認できませんでした。国内法上は、電子決済手段の売買・交換や円投・円転を業として行う場合、原則として電子決済手段等取引業の登録が問題になります。そのため、「大口だから OTC でやる」のではなく、「相手方が適法な登録業者か」「価格決定がどうなっているか」「最終的な円転は公式償還なのか市場売却なのか」を先に固めるべきです。法人・事業者なら、まず公式ルートまたは適法性を確認した相対先を優先するのが安全です。
07 / Chains & Gas
チェーンとガス資産の相性
| 区分 | 主なチェーン | 使うガス資産 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 現行 JPYC | Ethereum / Polygon / Avalanche | ETH / POL / AVAX | 現行の公式 JPYC はこの 3 チェーンでの発行が確認できます。償還もこの前提で考えるのが安全です。 |
| 旧 JPYC Prepaid | Ethereum / Polygon / Gnosis / Shiden / Avalanche / Astar | ETH / POL / xDai / SDN / AVAX / ASTR | 旧トークンはチェーンが広い一方、現行 JPYC とは別物で、発行体は両者交換を受け付けません。 |
| 公式ガイドがあるウォレット | — | 公式ガイドが確認できたのは MetaMask と HashPort Wallet です。HashPort Wallet では JPYC が初期表示される案内もあります。 | |
08 / Regulation & Tax
規制・税務・利用規約
法的整理から言うと、JPYC は暗号資産そのものではなく、資金決済法上の 電子決済手段 として扱われています。金融庁 のサポートデスク Q&A は、国内向けに電子決済手段を発行するには、資金移動業の登録を受けるか、信託型等の法的ルートを取る必要があると説明しています。また、電子決済手段の売買や他の電子決済手段との交換を業として行う場合には、電子決済手段等取引業の登録が必要であり、円投・円転のオンランプ/オフランプもこれに含まれると整理しています。JPYC 株式会社は資金移動業者登録一覧に掲載されており、金融庁の広報記事でも資金移動業者として言及されています。
AML/KYC の観点では、JPYC EX は比較的厳格です。公式 FAQ 上、個人の eKYC はマイナンバーカードのみ、かつ専用アプリ利用が前提です。アカウント開設時には、米国納税義務、外国 PEPs、国籍、居住国などの申告が要求され、米国納税義務のある利用者は現時点でアカウントを開設できません。オンライン本人確認の制度面では、金融庁も、公的個人認証や IC チップ情報を用いた非対面確認手法を正式に整理しています。
税務は、法人と個人で整理が異なります。法人 については、国税庁 FAQ が比較的明確で、電子決済手段は要求払預金に類似する金銭債権に近いものとして扱われ、取得時は券面額ベースで資産計上し、第三者へ譲渡したときに帳簿価額との差額を損益認識し、期末時価評価は不要とされています。法人で JPYC を決済・送金手段として日常利用するなら、この整理はかなり重要です。
個人 については、今回取得した公式資料の範囲では、JPYC そのものを想定した簡明な個別所得税 FAQ は確認できませんでした。他方で、国税庁は暗号資産について、売却や交換、決済利用で利益が出れば課税関係が生じ得ると案内しています。したがって、JPYC を「公式の 1:1 発行・償還」でそのまま出し入れする場合は価格差が出にくい一方、ETH や AVAX を売却・交換して JPYC を得る、あるいは JPYC をいったん暗号資産へ戻してから円転する、といったルートでは、その暗号資産側の処分が課税対象になり得る、という理解が実務的です。これは JPYC そのものの価格変動ではなく、「途中で使った暗号資産の譲渡」が論点になる、という意味です。なお、電子決済手段の譲渡は消費税上は非課税です。
利用規約・運用ルール上は、償還を詰まらせる要点がいくつかあります。第一に、予約なし入金では発行されません。第二に、振込名義カナは登録済み口座と完全一致が必要です。第三に、償還は登録済みウォレットからの送付が必須で、未登録ウォレットや誤った送信元アドレスからの送付は不成立のリスクがあります。第四に、偽トークンは償還できません。第五に、旧 JPYC Prepaid と現行 JPYC は別トークンです。ここは、手数料より先に押さえるべき「詰みポイント」です。
09 / Risks & Best Practices
リスクとベストプラクティス
自己管理リスク
JPYC EX はノンカストディ型で、事業者が顧客資産を預かりません。便利さの裏返しとして、秘密鍵、シードフレーズ、デバイス管理は利用者責任です。大きな金額を扱うなら、少なくとも専用端末の利用、二要素認証、シードのオフライン保管を前提に考えるべきです。これは公式の「ノンカストディ」性質から直接導ける実務結論です。
偽トークン・誤チェーンリスク
公式 FAQ は偽トークンが日本円に償還できないと明言しています。JPYC という名前だけで判断せず、現行 JPYC か、旧 JPYC Prepaid か、チェーンがどこか、公式コントラクトか、を毎回確認してください。P2P や DEX はここが最大事故点です。
送金運用リスク
償還は「予約後に」「登録済みウォレットから」送る必要があり、送信元を間違えると不成立や補償対象外になり得ます。実務上は、最初の償還前に少額テスト、送信元ウォレット再確認、ネットワークとガス残高確認を必須化した方がよいです。Ethereum では ETH、Polygon では POL、Avalanche では AVAX が必要です。
市場・流動性リスク
公式発行・償還は 1:1 前提ですが、DEX やウォレット内スワップは市場取引なので、スプレッド、スリッページ、流動性不足、MEV、ブリッジ失敗などのリスクが乗ります。とくに「急いで円に戻したい」ケースほど、公式償還の方が読みやすく、DEX 逆回転は価格と税務が読みにくくなります。
記録保存リスク
トラブル対応と税務の両方のために、銀行振込明細、Tx ハッシュ、使用チェーン、交換レート、相手先ウォレット、発行・償還予約番号を保存しておくのが実務的です。国税庁 は暗号資産計算書を公開しており、JPYC EX 側には受取証書(領収書)に関する FAQ もあります。帳票とオンチェーン証跡をセットで残す運用が無難です。
10 / Comparison
ルート比較表
| 方法 | 典型フロー | 典型コスト | 速度感 | KYC | 上限・制約 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 公式の取得 | JPYC EX で口座開設 → eKYC → 銀行口座/ウォレット登録 → 発行予約 → 銀行振込 → 受取。 | 公式トップでは購入手数料無料。別途、振込手数料とガス代。期限経過後返金は 2,000 円。 | 原則即時だが、AML/CFT や銀行都合で翌営業日まで遅延し得る。 | 必須。マイナンバーカードのみ確認。 | 1 回 100 万円上限。下限は公式本文では未確認。 | 1:1 で明快、公式償還に直結 | 事前登録項目が多い、自己管理ウォレット前提 |
| 公式の償還 | 償還予約 → 登録済みウォレットから JPYC 送付 → 承認後に銀行振込。 | 標準手数料額は公式本文で再確認できず。ガス代は利用者負担。 | 原則即時、場合により翌営業日。 | 必須。既存口座が必要。 | 登録済みウォレットからのみ。誤送信は不成立リスク。 | 発行体による円償還、価格リスクが小さい | 送信元ルールを誤ると詰まりやすい |
| 国内 CEX 経由の間接取得 | 国内交換業者で ETH/AVAX/POL 等を購入 → 自己管理ウォレットへ出庫 → DEX で JPYC へ交換。Coincheck は JPYC 非取扱いを明示。 | CEX 手数料/スプレッド + 出庫手数料 + DEX スプレッド + ガス代。 | 数分〜数十分、ネットワーク次第 | CEX 側は通常必要。DEX 側は通常不要。 | JPYC 自体の直上場を確認できない場合が多い | 既存の暗号資産口座を活用しやすい | 1:1 ではない、税務イベントが増えやすい |
| DEX / ウォレット内スワップ | 自己管理ウォレットで同一チェーン資産を JPYC へ交換。1inch を統合した HashPort Wallet のクロスチェーン直スワップ報道あり。 | ガス代 + スリッページ + 流動性コスト。 | 速いが、失敗時は自己対応 | 通常不要 | 正しいチェーン・公式トークン確認が必須 | 素早く取得でき、自己管理を維持 | 偽物・MEV・ブリッジ・流動性のリスク |
| P2P | 相手のウォレットから自分のウォレットへ直接受取。その後、必要なら公式償還。 | 相手との価格次第、通常はガス代程度 | 速い | 相手次第。公式転送自体は不要 | 偽トークン、誤チェーン、後で償還するには自分の登録ウォレット管理が必要。 | 仲介なしで柔軟 | 信用・真正性・法令適合性が最大リスク |
| OTC | 相対で数量・価格を交渉し、円または暗号資産で決済 | 条件次第 | 相手次第 | 相手次第 | 国内で業として行うなら登録論点が重い。発行体の公開 OTC 条件は未確認。 | 大口で価格交渉しやすい可能性 | 適法性確認と相手方審査が必須 |
11 / Checklist
日本居住者向けの簡潔チェックリスト
- 1
まず目的を決める。
「1:1 で公式に取得・償還したい」のか、「市場で素早く JPYC を得たい」のかで、最適ルートは変わります。前者は公式、後者は CEX + DEX が基本です。
- 2
公式ルートなら、最初に必要物を揃える。
マイナンバーカード、登録する銀行口座、自己管理ウォレットを用意します。公式に確認できた本人確認書類はマイナンバーカードのみです。
- 3
ウォレットは "後で償還に使うもの" を登録する。
JPYC EX は登録済みウォレットからの償還送付を前提にしているため、普段使いしない別ウォレットを誤って登録しないようにします。
- 4
チェーンを先に決め、ガス資産も同時に持つ。
現行 JPYC は Ethereum / Polygon / Avalanche の 3 チェーンです。必要ガス資産は ETH / POL / AVAX です。
- 5
取得時は、予約してから、名義一致で振り込む。
予約なし入金では発行されず、振込名義カナ不一致も詰まりやすいので、発行予約 → 指定口座へ入金の順を守ります。
- 6
償還時は、予約してから、登録済みウォレットから送る。
ここを逆にすると不成立のリスクが高いです。償還フローでは、この順番が最重要です。
- 7
DEX や P2P を使うなら、現行 JPYC かどうかを必ず確認する。
旧 JPYC Prepaid や偽トークンは、そのままでは公式償還できません。コントラクトとチェーン確認を徹底します。
- 8
税務と証跡を残す。
とくに ETH や AVAX などを経由して JPYC を得た・戻した場合は、その暗号資産の譲渡が課税イベントになり得ます。Tx ハッシュ、振込明細、約定レート、領収情報を保存しておきます。
- 9
未指定事項として残るものは、実行前に個別確認する。
とくに「利用したい交換業者」「利用したいウォレット」「発行・償還の下限額」「償還標準手数料」は、2026 年 5 月 11 日時点での公開確認と実際の画面表示に差があり得るため、最終実行前に公式画面で再確認するのが安全です。
12 / Sources & Notes
出典と注記
主な公開情報出典
- • JPYC 株式会社 公式サイト
- • JPYC EX(発行・償還公式サービス)
- • JPYC ブランドガイドライン / プレスキット
- • 金融庁 公開資料(電子決済手段・資金移動業の整理)
- • 国税庁 公開資料(電子決済手段・暗号資産の税務)
- • 補助: Coincheck(JPYC 非取扱の明示)、MetaMask、HashPort Wallet、1inch、Kana Labs
注記
- • 本ガイドは 2026 年 5 月時点の公開情報を整理したものです。手数料・上限・対応サービス・チェーン等の最新条件は、JPYC 株式会社の公式案内で必ず再確認してください。
- • 本ガイドは情報提供のみを目的としており、特定の取引・投資・税務上の助言を行うものではありません。実際の取引や税務処理は、税理士・行政書士・弁護士等の専門家、および公式サポートにご相談ください。
- • 本ページ内の各種社名・サービス名・ロゴは、それぞれの権利者に帰属します。
※ 本サービスは JPYC 株式会社による公式コンテンツではありません。
※ 「JPYC」は JPYC 株式会社の提供するステーブルコインです。
※ JPYC および JPYC ロゴは JPYC 株式会社の登録商標です(ブランドガイドライン)。