Behavioral Economics

行動経済学の参考資料 損失回避・コミットメント・利他性

損失回避、コミットメント、社会的選好は、施策を考えるための参考です。研究結果は条件によって異なり、特定の表現や機能だけで運動が続くことを示すものではありません。

01 / Loss Aversion

損失回避(プロスペクト理論)

損失を避けたいという傾向は、多くの意思決定研究で扱われています。ただし、強さは状況や個人によって異なります。

プロスペクト理論は、不確実な状況での意思決定が「得る側」と「失う側」で非対称になることを実証した、行動経済学の中核命題です。Daniel Kahneman は同分野の貢献で 2002 年にノーベル経済学賞を受賞しています。

運動や健康行動の研究には、損失を意識させる条件が参加行動に影響した例があります(Volpp et al., 2008、Patel et al., 2016など)。一方で、対象者、期間、金額、比較条件が異なるため、同じ結果が運動サプリ®で再現されるとは限りません。

応援金を使う施策では、金額、成功・未達の条件、受取人、途中終了時の扱いを参加前に明示します。資金の移動はAIや運営が独断で行わず、本人またはスポンサーが内容を確認して実行します。

02 / Commitment device

コミットメント装置

未来の自分の意思の弱さを見越して、現在の自分が選択肢を縛る仕組み(Ulysses contract / Thaler & Benartzi, 2004)。

コミットメント装置は、行動経済学・社会心理学・契約理論の交差点にあります。代表例は Save More Tomorrow™ プログラム (Thaler & Benartzi, 2004) で、給与上昇時に自動的に貯蓄率を上げる「未来の自分への約束」を設計し、実証的に貯蓄率を引き上げました。

運動サプリ®では、目標歩数、期間、応援金、受取人を参加前に確認する形を想定しています。スマートコントラクトを使う場合も、変更可否や例外処理は実装と設定を確認する必要があります。

登録特許との関係は、登録特許の概要で説明しています。掲載内容は権利範囲や侵害判断を示すものではありません。

03 / Social preferences / Altruism

利他性・社会的選好

人は純粋な自己利益最大化ではなく、他者の効用も自己の効用関数に組み込む(Fehr & Schmidt, 1999 ほか)。

社会的選好の研究は、独裁者ゲーム・最後通牒ゲームなどで、自己利益のみの仮定では説明できない協力行動・分配行動を多数報告してきました。Fehr & Schmidt (1999) の不平等回避モデル、Andreoni (1990) の warm-glow giving などが代表的です。

運動サプリ®では、家族、友人、寄付先などを受取人にする案を検討できます。他者との関係が参加理由になる可能性はありますが、継続や孤立の解消を保証するものではありません。

法人・自治体の施策では、誰にどのような利益や負担が生じるかを事前に確認します。歩数だけでなく、参加率、継続率、離脱理由、問い合わせ件数なども評価対象にします。

施策に取り入れるときの注意

参加者によって、金銭、他者からの応援、目標設定への反応は異なります。選択肢を一律に適用せず、参加しない自由と途中で相談できる窓口を用意します。

PoCでは、参加率や歩数だけでなく、負担感、離脱、問い合わせ、想定外の不利益も確認します。効果や安全性を確認できるまでは、対象と期間を限定して実施します。

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